異彩で偉才、それが「ラブデリック」
『moon』というゲームをご存じでしょうか?
1997年10月16日にアスキーから発売されたPS用ゲームソフト。
ゲーム全盛期だったこの時代に「アンチRPG」として発売された名作です。
こんにちは、ゲーム博物館です。
長い間プレミア化しており、コアなファン達に愛されてきた作品が、ついに22年の時を経て、Switchのバーチャルコンソールとして10月10日に配信。
現代の子どもから昔を懐かしむ大人まで、みんなに遊んでほしかった名作が手の届くところへとやってきたのです!
さらに、2020年10月15日にはSwitch用ゲームソフトの特別限定パッケージ版『moon PREMIUM EDITION』が発売決定。
それを記念して、ラブデリック系ゲームが大好きなスタッフが、【ラブデリック系ゲームプレゼン大会】を開催致します!
目次
◆ラブデリック とは
◆ラブデリック系の特徴って?
◆ラブデリックの歴史
◆スタッフおすすめ!ラブデリゲー紹介
◆まとめ
◆ラブデリック とは
ラブデリックは名作のSFC用ゲームソフト「スーパーマリオRPG」等に携わった西健一氏が中心となって設立されたゲーム会社。
ラブデリックではPS用ゲームソフトを2本、DC用ゲームソフトを1本合計3本のゲームソフトを開発しました。
その後関係者達は分裂しそれぞれのゲーム会社を設立。
ラブデリックが開発した作品には特異な傾向があり、分裂以後の流れを汲む会社や、スタッフが開発する作品にも同様の傾向が見られます。
そのため明確な定義はないものの、歴代のゲームソフトの特徴を多く持っている作品がラブデリック系と呼ばれているのです。
俗称としてラブデリック系の他に、ラブデ系、ラブデリ系なんて呼ばれたりするよ~!
◆ラブデリック系の特徴って?
ファンになると雰囲気やデザインからなんとなく「これはラブデリックだ!」と感じる身体になるのですが、ちゃんとお伝えしますね(笑)
ラブデリック系には以下のような特徴があります。
・ラブデリックが制作、もしくはラブデリック出身のスタッフが制作陣にいる。
(西健一氏、工藤太郎氏、倉島一幸氏、木村祥朗氏、上田晃氏など)
・各ゲームソフトのテーマに異色な題材をとりあげている。
(以下ゲーム紹介文を参照)
・登場キャラクターのボイスは、既存言語の音声を切り貼りしてミックスさせた内容不明の音声に字幕が付く。
(西健一氏曰く通称「ハナモゲラ語」という)
・いわゆる「戦闘」というものがあまりなく、あってもゲームの主軸としていない事が多い。
・会話等にブラックユーモアを含んだ社会風刺や皮肉、パロディが多くみられる。
時としてシュールであったりホラーであったりします。
・ゲーム内時間があり、その時間に沿って登場キャラクターが生活している。
イベントなどに大きく関わってくる為、待ちゲーも多いですね。
それから、キャラクター達の個性と世界観を作り上げるための音楽は、外せないラブデリック系の魅力だね~。
◆ラブデリックの歴史
ここでラブデリック~分裂後の各会社について、ゲームタイトルも交えて解説、紹介していきたいと思います。
実は2000年の『L.O.L.』発売後に『DAH』という新たなゲームを開発していたのですが開発中止を経てラブデリックは活動を休止。
その後スキップが独立してラブデリックは解散に。
解散して各々の会社を設立した後も、個性あふれる魅力的なゲームを開発していき様々なゲームが誕生しました。
それでは会社ごとのラインナップをご紹介します。
ラブデリック(LOVEdeLIC)
・moon(1997年/アスキー/PS)・UFO -A day in the life-(1999年/アスキー/PS)
・L.O.L. 〜LACK OF LOVE〜(2000年/アスキー/DC)
スキップ(SKIP)
・ギフトピア(2003年/任天堂/GC)
・ちびロボ!(2005年/任天堂/GC)※
・キャプテン★レインボー(2008年/任天堂/Wii)
※西健一氏がが関わっているのは第一作目のみ
バンプール(vanpool)
・エンドネシア(2001年/エニックス/PS2)
・もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド(2006年/任天堂/DS)
・いろづきチンクルの恋のバルーントリップ(2009年/任天堂/DS)
パンチライン(PUNCHLINE)
・チュウリップ(2002年/ビクターインタラクティブソフトウェア/PS2)
オニオンゲームス(Onion Games)
・勇者ヤマダくん(2016年/iOS/Android)
・Million Onion Hotel(2017年/iOS/Android)
・BLACK BIRD(2018年/Switch/Steam)
ルート24(Route24)
・コビッツ(2011年/iOS/Android)
・まかいピクニック(2015年/iOS/Android)
・ルナたん~巨人ルナと地底探検~(2016年/iOS/Android)
私は子供の頃、某ミニ四駆アニメを見ていた時に、CMで「moon」を知りました。
当時は強烈なストーリーに驚きっぱなしでしたね…!
◆スタッフのオススメ!ラブデリゲー紹介
ラブデリック系のゲームはキャラもゲーム性もクセが強くてスルメゲーです!
全部紹介したい気持ちでいっぱいですが、今回は3本のソフトに絞ってその魅力に迫っていきたいと思います。
『moon』
ラブデリックといえばコレ!原点にして頂点…
1本目は『moon』です!
1997年10月16日にプレイステーション用ゲームソフトとして発売。
ジャンルはロールプレイングゲームですが、テーマはなんと「アンチRPG」。
※Nintendo 公式チャンネルより
少年は失われた月の光を取り戻すため、「ラブ」を探す旅に出るのでした。
この世界には経験値稼ぎのために罪のないアニマルを殺しまくる勇者がうろついていました。少年は勇者が殺したアニマルの魂を救済しながら、世界中の「ラブ」を集め、成長していきます。
そう、このゲームは戦いではなく、「ラブ」によってレベルアップするのです。
旅の途中に出会うこの世界の住人たちは、ひとクセもふたクセもある愉快な人ばかり。
曜日や時間によって変化する人々の生活、生き様を観察して、彼らが隠している「秘密のラブ」も見つけてください。
「さあ、あなたの力で扉をあけて。」 公式サイトより
従来のRPGでは「勇者」は英雄ですが、この世界に登場する「勇者」は罪の無いモンスター(ゲーム内では通称アニマル)を殺し、他人の家に押し入り色々な物を強奪していくような、非常に迷惑な存在として登場します。
そして主人公である「少年」の役目は、勇者に殺されたアニマル達を救い出し、奇妙で暖かい住人達と心を通わせ「ラブ」を集めてレベルアップしていきます。
おばあちゃんが焼いてくれたクッキーを持ってラブ探しの旅へ出発!
ゲーム内には有名なゲーム作品のパロディ要素がちりばめられています。
勇者が使う最強魔法「オメテ」やアニマルを助ける「ムツジロー」さんなど某ゲームや芸能人を彷彿とさせる単語が登場。
またこの世界では現実世界と同様に、1週間(7つの曜日)と昼夜の時間がループしています。
各キャラクターやアニマルは決まった曜日の決まった時間に個々に決められた動きをしているので、周期をつかんでイベントをこなしていきましょう。
中には一瞬しかない超限定的な動きをするアニマルもいるのでセーブとメモは忘れずに!
『チュウリップ』
いろいろな人とチュウして、みんなをしあわせにしていこう!
2本目は、キスと絆を描いた昭和感溢れる『チュウリップ』です!
2002年10月3日にプレイステーション2用ゲームソフトとして発売されたロールプレイングゲームです。
初めて歩いたその町で出会ったのは、なんと夢に出てきたあこがれの女のコでした。
運命を感じた少年は、なんとかその娘と結ばれたいと願います。
しかし、その町の人たちはちょっとヘンでした。 日々の生活に疲れていたり、悩みを抱えていたり、 夢やぶれてあきらめてしまっていたり…
それだけではありません。
少年が通うことになっている「地タマ中学」の生徒は全員ひきこもり。
このままでは学校もなくなってしまいそうです。
さて。 本当は少年は、そんなことどうでもよかったのです。
ただその娘と結ばれたい。
それだけの想いを胸に、行動を始めます。
いろんな人に話しかけていくうちに次々と起こるちっぽけな事件。
彼は「チュウ」することで、人々の悩みを解決し、心を癒していきます。
この世界では、「チュウ」が人と人をつなぐ鍵なのです。
さあ、少年は無事あのコと結ばれることができるのでしょうか。
そして、そのとき世界は?
公式サイトより
老若男女問わずあらゆる登場人物達と「チュウ」できるシステムと、どこか懐かしい昭和中頃を思わせる世界観が特徴です。
主人公は住んでる街だけではなく、電車でいろいろな場所へ出かけることができます。
お寺や工場、畑など…夜と昼では全然違う雰囲気になるので、何度も出かけてみてくださいね。
ただ夜はちょっぴりホラーなテイストになりますので、苦手な方は明るい時間のプレイがおすすめです。
同封の取扱説明書も、『チュウリップ』では重要な手がかり。
電車の時刻表も載っているので最大限に活用しましょう。
たくさんチュウして、あこがれのヒロインとのチュウを目指そう~!
実は結構な頻度でゲームオーバーになるので最初の方は住人に殴られないように注意です。
また、このゲームでは住人たちから度々ある言葉が出てきます。
“「幸せ」ってなんだろう”
この言葉の意味をよく考えて、1人1人と会話をしていると誰かしら自分に近い存在の住人に感情移入してしまうのではないでしょうか?
みんなが持ってるそれぞれの不安や喜びが、誰かの心に触れてくる、そんなゲームに仕上がっているよ~
『BLACKBIRD(ブラックバード)』
生きるとはどういうことか、戦争や孤児、食糧難や暴力…
3本目はラブデリック系の中で最もシリアスな雰囲気を放つ『BLACKBIRD(ブラックバード)』です!
2018年10月18日Nintendo Switch用ゲームソフトとして発売された、循環型横スクロールシューティング。
※公式チャンネル:OnionGamesより
誰も助けてくれないので死んでしまいました。
しばらくすると、どこからともなく一人の紳士が現れて、少女をステッキでつつきました。
不思議なことに、少女は大きな大きなタマゴになりました。
タマゴはパリパリと割れて、中からは禍々しい「黒い鳥」が生まれてきたのでした。
公式サイトより
ノスタルジックな世界観と重苦しい設定、そして鬼畜なゲーム難易度がプレイヤーの精神力をゴリゴリと削っていきます。
主人公は冒頭で死んでしまった哀れな少女。
生まれ変わったのは、災いをもたらす「黒い鳥」でした。
黒い鳥を殺そうと銃を放つ人間や機械…
少女は復讐のため、王国を滅ぼしていくというゲームです。
楽曲と敵の動きがリンクしているので、先読みができる場面もあります。
1ステージクリアごとに短めのムービーが入りますが、バリエーションが多く、まるで謎解きをしているような感覚になります。
沢山の敵を効率よく倒し出来るだけ早く黒い鳥を成長させましょう。
素早くクリアできるかがこのゲームのカギになりますよ!
ボスキャラのモチーフなど、いたるところに伏線があるから、要チェックだね~
ストーリーを紐解く楽しさは、流石ラブデリック系!
根強い人気と、個性が色濃く残っているラブデリック系。
その魅力や歴史を紹介してきましたが、本当の素晴らしさはゲームをプレイして初めて体感できるものです。
ラブデリック系のゲームを遊んだことのある人も、初めての人もノスタルジックでどこか不思議なこの世界観に入り込んで個性豊かなキャラクター達とストーリーを楽しみませんか?
さあ、あなたの「ラブ」で光の扉をあけて…!
コムショップでもラブデリック系ゲームを取り扱い中
コムショップでは『チュウリップ』をはじめとするゲームソフトの買取を実施中。
遊び終わったゲームソフトがあれば、ぜひご利用ください。
ブログやゲーム博物館の最新情報はTwitterでもご案内しています。
こちらもフォローもよろしくお願いします!↓↓↓
遊び終わったゲームを売るならコムショップ買取へ!詳しくは公式サイトからご確認ください。